旅館業許可にかかる期間と費用はいくら?スケジュールの立て方

旅館業(ホテル・簡易宿所など)の許可を取得するには、一定の手順と準備が必要です。
この記事では、許可を取得するまでの具体的な流れと期間・費用の目安、スケジュールの立て方をわかりやすくご案内します。

1. 旅館業許可を取得するまでの流れ

旅館業の許可を取得するには、保健所をはじめ複数の関係機関との調整が必要です。以下が一般的な流れになります。実際は自治体により異なります。実際に申請する場合は、物件が所在する管轄の自治体にご相談のうえ、お手続きください。

① 物件の選定と用途地域の確認(0週目)

まずは、営業を予定している物件の用途地域や建物の用途が旅館業に適しているかを確認します。
用途変更や建築基準法上の制限がある場合、許可が下りないこともあるため、この段階でのチェックが最重要です。

② 関係機関への事前相談(1〜2週目)

  • 保健所(旅館業の基準に適合するか)

  • 消防署(避難経路や警報設備の基準を満たすか)

  • 建築指導課(都市計画課)(建築基準法や用途地域の確認)

上記の機関へ個別に相談し、必要な条件・改修点を把握します。事前相談をしっかり行うことで、後の手戻りを防ぐことができます。

③ 図面・書類の作成(2〜4週目)

  • 建物の平面図・設備図面などを用意

  • 必要な申請書類を行政書士などが作成

建築士や行政書士と連携しながら、提出に必要な図面・書類を揃えます。

④ 消防設備等の工事(必要な場合は並行)・消防法令適合通知書の取得

消防法に基づき、自動火災報知器・誘導灯・消火器などの設置工事が必要となる場合があります。
この工事は申請前に完了しておく必要があるため、図面作成と並行して進めるのが理想です。

その後、消防署が立入検査を行い、消防法令適合通知書が交付されます。

⑤ 申請書の提出(4〜5週目)

必要書類を揃えて保健所に申請します。

⑥ 現地調査(5〜7週目)

保健所職員による立入検査(施設の衛生基準や面積確認など)が行われます。

⑦ 許可証の交付(7〜8週目以降)

現地確認の結果、問題がなければ許可証が交付され、営業開始が可能になります。


2. 許可取得までにかかる期間の目安

項目 期間の目安
物件確認・事前相談 約2週間
図面作成・書類準備 約2週間
申請〜許可取得 約4週間
合計目安 約2ヶ月〜3ヶ月

※建物の用途変更や消防工事が必要な場合、さらに1〜2ヶ月追加されることもあります。


3. 費用の目安

項目 概算費用
保健所への申請手数料 約2万〜3万円
消防設備の設置・改修 数万円〜数十万円
図面作成(建築士) 5万〜10万円程度
行政書士報酬 10万〜20万円程度

※建物の状態・規模・地域によって大きく異なります。

4. スケジュールの立て方のコツ

  • 物件選定前に専門家に相談する
     → 適さない物件だと申請できない場合があるため、初期段階で確認を。

  • 関係機関への事前相談は同時並行で行う
     → 全体の期間短縮につながります。

  • 消防工事や用途変更の必要性があれば、早めに着手
     → 許可申請は設備が整ってからでないとできません。

  • オープン日から逆算して、3ヶ月以上の余裕を持って動き出すのが安心です。

まとめ

旅館業許可の取得には、法的な要件だけでなく物件の条件や関係機関との調整が必要です。
しっかりとしたスケジュールと専門家のサポートがあれば、スムーズに許可取得まで進めることができます。

「いつから営業を始めたいか」に合わせて、今すぐ準備を始めましょう。

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