消防法に基づく「消防用設備等点検報告」はオーナーの義務です!

宿泊施設では、火災時に宿泊者の命を守るため、消防法に基づき設置した消防用設備が、常に正常に作動する状態であることが求められます。
そのため、定期的な点検と消防署への報告が義務付けられています。

1.消防用設備等点検報告とは

消防法では、設置している消防用設備について、「壊れていないか」「正しく作動するか」を定期的に点検し、その結果を消防長または消防署長へ報告する必要があります。

宿泊施設の消防に関する定期点検は、
形式的な義務ではなく、宿泊者の命を守るための確認作業です。

火災は深夜や慣れない環境で起きやすく、
消火器や火災報知設備がその場で確実に作動するかどうかが、生死を分けることもあります。
これらは、点検をしていなければ不具合に気づくことができません

また、消防の立入検査や万一の事故の際には、定期点検を適切に行っていたかが必ず確認されます。
設備を設置していても、点検記録がなければ管理不十分と判断される可能性があります。

定期点検は、宿泊者を守ると同時に、オーナー自身の責任とリスクを守るための重要な備えです。

■ 点検の種類と頻度

機器点検:6か月に1回
外観や簡易操作により異常がないかを確認

総合点検:1年に1回
実際に作動させ、設備全体の機能を確認

2.定期点検の具体的な対象

定期点検では、施設に設置されている消防用設備ごとに点検項目が定められています。
宿泊施設で特に対象となりやすい設備は、次のとおりです。

■ 消火設備

消火器
・設置場所が適切か
・使用期限が切れていないか
・圧力・封印に異常がないか

屋内消火栓設備(規模が大きい施設)
・放水が可能か
・ホース・バルブの状態

■ 警報設備

自動火災報知設備
・感知器(煙・熱)が正常に反応するか
・受信機に異常表示がないか

特定小規模施設用自動火災報知設備(特小自火報)
・感知器同士が連動して警報を発するか
・電池切れや故障がないか

非常警報設備(非常ベル・放送設備)
・非常時に確実に警報が鳴るか

■ 避難設備

誘導灯・誘導標識
・点灯しているか
・停電時に非常電源で点灯するか
・設置位置が適切か

避難器具(はしご・救助袋など)
・収納状態、操作性に問題がないか

■ 防火管理に関わる設備・表示

防火戸・防火シャッター(設置されている場合)
・閉鎖障害がないか

非常用照明(建築基準法と重なる部分あり)
・停電時に点灯するか

防火管理者選任表示・避難経路図
・掲示が適切か、内容が現状と一致しているか

3.報告義務の考え方(旅館・ホテル・民泊)

■ 旅館・ホテル

消防法上の特定防火対象物に該当し、年1回の点検結果報告が必要です。

■ 民泊(住宅宿泊事業)

民泊も原則として旅館・ホテルと同じ「宿泊施設」扱いとなります。
ただし、一定要件を満たす場合は一般住宅扱いとなり、点検報告が不要となるケースがあります。

※ 最終判断は、必ず管轄消防署との協議によります。

4.点検は誰が行うのか

延べ面積1,000㎡以上などの施設
→ 消防設備士・消防設備点検資格者

小規模な宿泊施設
→ オーナー自身による点検も可能

ただし、

記載ミス・点検漏れ・消防署からの是正指導

などが心配な場合は、専門業者への依頼が安心です。

まとめ「何を点検するか」を知ることが第一歩

消防の定期点検は、
「書類を出すため」ではなく、「設備が本当に使えるか」を確認するための制度です。

特に民泊では、設備は付けたが、点検していない
どこまでが点検対象か分からない

というケースが非常に多く見られます。

自分の施設に「何の設備があり」「それが点検対象か」ここを整理することが、消防対応の第一歩です。

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