民泊(住宅宿泊事業)の非常用照明器具|お部屋への設置を免除できるケースとは?

民泊(住宅宿泊事業)の開業準備で、多くの方が悩まれるのが消防・建築関係の設備です。

なかでも非常用照明器具については、

  • 「できれば客室には付けたくない」
  • 「工事費を抑えたい」

というご相談をよくいただきます。

実は、宿泊室の条件によっては、お部屋への非常用照明器具の設置を免除できる場合があります。

今回は、福岡県・福岡市の手引きをもとに、民泊における非常用照明器具の設置免除について分かりやすく解説します。

非常用照明器具とは?

非常用照明器具とは、停電時でも一定時間点灯し、避難経路を確保するための設備です。

民泊では宿泊者の安全確保のため、原則として宿泊室への設置が必要になります。

ただし、一定の条件を満たす場合は、宿泊室内への設置を省略できるケースがあります。

30㎡以下の宿泊室なら免除できる可能性がある

宿泊室(居室)の床面積が30㎡以下の場合、次のいずれかに該当すると室内への設置が不要となる場合があります。

① 宿泊室から直接地上へ避難できる

例えば1階の客室で、室外へ直接出られる出入口がある場合です。

避難経路が明確に確保されているため、室内の非常用照明器具を省略できる可能性があります。

② 避難経路全体に非常用照明が設置されている

宿泊室から地上へ至るまでの廊下や階段などの避難経路すべてに、建築基準法に適合した非常用照明装置が設置されている場合です。

また、開放廊下など採光上有効に外気へ開放されている場合も対象になります。

つまり、

「部屋から外へ出るまでの通路全体が安全に確保されている」

のであれば、30㎡以下の宿泊室内には非常用照明器具を設置しなくてもよいという考え方です。

「非常用の照明装置」でなければ意味がない

ここで注意したいのが、

廊下に照明があれば何でもよいわけではない

という点です。

免除要件を満たすためには、建築基準法の基準に適合した「非常用の照明装置」である必要があります。

NG例

  • 電池式センサーライト
  • 懐中電灯
  • 普通のシーリングライト
  • コンセント式の簡易照明

OK例

  • 停電時に自動点灯する非常用照明器具
  • 予備電源を内蔵した固定式器具
  • 建築基準法の基準を満たす非常用照明装置

「廊下に電池式ライトを置いたから客室の非常灯は不要」という判断はできませんので注意しましょう。

1階・2階なら窓による免除もある

30㎡以下かどうかに関係なく、避難階(1階)またはその直上階(2階)の宿泊室については、いわゆる「規定a」による免除が認められる場合があります。

条件

① 採光上有効な窓がある

窓の面積が床面積の20分の1以上あること。

② 出口までの距離が短い

  • 1階:出口まで30m以内
  • 2階:階段まで20m以内

これらを満たす場合は、室内の非常用照明器具を設置しなくてもよい場合があります。

3階以上は要注意

3階以上の宿泊室については、窓による免除規定は適用されません。

そのため、

  • 宿泊室内に非常用照明器具を設置する
  • または地上までの避難経路全体を非常用照明で確保する

必要があります。

3階以上の物件は建築基準法上の検討がより重要になるため、事前相談をおすすめします。

家全体で非常用照明が不要になるケース

次の2つの条件を両方満たす場合は、非常用照明器具の設置義務そのものがなくなります。

家主居住型である

オーナーが同じ住宅内に居住しているホームステイ型民泊。

宿泊室の合計面積が50㎡以下

ゲストが利用する宿泊室の合計床面積が50㎡以下であること。

この条件に該当する小規模な家主居住型民泊は、設備負担を大きく抑えられる可能性があります。

まず確認したい3つのポイント

ご自身の物件が免除対象になるかどうか、次の順番で確認してみましょう。

□ 家主居住型で宿泊室合計50㎡以下か

→ 該当すれば非常用照明器具自体が不要。

□ 宿泊室は30㎡以下か

→ 避難経路全体に非常用照明があれば室内設置を省略できる可能性あり。

□ 1階または2階で大きな窓があるか

→ 出口までの距離要件を満たせば免除の可能性あり。

まとめ

非常用照明器具の要否は、

  • 宿泊室の広さ
  • 階数
  • 窓の大きさ
  • 避難経路の状況

によって判断されます。

また、消防法ではなく、主に建築基準法に基づく安全措置の考え方で判断される点も重要です。

図面上のわずかな違いで必要・不要が変わることもありますので、

「うちは大丈夫だろう」と自己判断せず、事前に自治体や専門家へ確認することをおすすめします。

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